チトセホープ

チトセホープ
欧字表記 Chitose Hope
品種 サラブレッド
性別
毛色 黒鹿毛
生誕 1958年4月15日
死没 1979年6月14日
ライジングフレーム
エベレスト
母の父 セフト
生国 日本の旗 日本
北海道浦河郡浦河町
生産者 酒井牧場
馬主 野間勘一郎
調教師 伊藤勝吉京都
競走成績
生涯成績 18戦6勝
獲得賞金 918万5000円
勝ち鞍 優駿牝馬(1961年)
テンプレートを表示

チトセホープ1958年4月15日 - 1979年6月14日)は、日本中央競馬会に所属していた競走馬繁殖牝馬1961年オークスに優勝。

馬齢2000年まで使用されていた旧表記(数え年)を用いる。

経歴

ライジングフレームは競走馬時代イギリスで2歳から4歳までに6勝を挙げ、重賞勝利はないが、セントジェームズパレスステークス2着、2000ギニーダービーステークスでそれぞれ5着と好走している。引退後の1951年にイギリスで種牡馬入りしたが、翌1952年すぐに競走馬輸入が解禁された日本農林省によって購買され、1958年から1960年まで3年連続リーディングサイアーとなる。

母の父セフトはイギリスの大馬産家アーガー・ハーン3世の生産所有馬としてイギリスで走り、2000ギニーで同じアーガー・ハーン3世所有のバーラムとセフトで1、2着となっている。エクリプスステークスで2着、ダービーステークスでは4着となっているが、バーラムと比べると短距離傾向が強く、最終的に獲得した重賞はジャージーステークス、グリーナムステークスなど、いずれも距離8ハロン以下の3つの下級重賞のみであった。1937年に種牡馬として日本に輸出され、トキノミノルなど多くの活躍馬を輩出し、1947年から1951年まで5年連続リーディングサイアーとなる。

戦績

伊藤勝吉調教師の息子伊藤修司主戦騎手としてデビューし、1960年(3歳)夏の札幌オープンで初勝利。3戦目の3歳特別は清田十一で人気に応えて2勝目を挙げるが、阪神3歳Sは競走中止でシーズンを終えた。1961年(4歳)はオープンで清田を背に3勝目を挙げ、桜花賞はスギヒメの2着。優駿牝馬を目指して東上し、トライアルの4歳牝馬特別を制すと、本番では桜花賞馬スギヒメを抑えて2番人気に支持される。チトセホープは直線馬群に沈むスギヒメを尻目にハツカリ以下に3馬身半差を付けて優勝、人気に応えた。その後の東京優駿は回避予定であったが、同馬主同厩チトセミノルが追い切りで故障したため急遽連闘で挑戦。皐月賞馬シンツバメも回避したため相手が薄いと見て陣営は送り出し、当日はハクシヨウに次ぐ2番人気に支持された。レースでは先頭に立って逃げ込みを図るが、ゴール前100mでハクシヨウが交わす。ハクシヨウの勝利は確実かと思われたが、前走で条件戦を勝ち上がったばかりのメジロオーが大外から突っ込んできて死闘を繰り広げる。長い写真判定の末にハクシヨウがたてがみ一本の差でメジロオーを抑えて優勝していたが、チトセホープも紅一点ながら見せ場十分の3着に善戦。ハクシヨウとチトセホープは酒井牧場の出身で、チトセミノルは同族の酒井徳松氏生産であった。同年はこの活躍を評価され、啓衆社賞最優秀4歳牝馬を受賞。当時の牝馬としては非常に珍しい500㎏の馬体重を誇り、「戦後最高の名牝」「女傑中の女傑」と言われたが、以降は平場のオープンで好走するものの、重賞では苦戦。1962年(5歳)の天皇賞 (春)5着が最高であり、同年暮れの阪神牝馬特別14着を最後に引退。

引退後

引退後の1963年から繁殖入りし、10頭の産駒を送り出して1979年に死亡した[1]。産駒から活躍馬は出せなかったが、孫以降の世代から1987年のクリスタルカップ勝ち馬キリノトウコウや1992年ブリーダーズゴールドカップを勝ったマンジュデンカブト、1998年の天皇賞(秋)を勝ったオフサイドトラップ、2008の兵庫チャンピオンシップを勝ったナンヨーリバーなどが出ている[1]

競走成績

  • 1960年(6戦2勝)
    • 1着 - 3歳特別
  • 1961年(7戦4勝)
    • 1着 - 優駿牝馬、4歳牝馬特別
    • 3着 - 東京優駿
  • 1962年(5戦0勝)

太字八大競走を含むGI級レース。

血統表

チトセホープ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 エクリプス系

*ライジングフレーム
1947 黒鹿毛
父の父
The Phoenix
1940 鹿毛
Chateau Bouscaut Kircubbin
Ramondie
Fille de Poete Firdaussi
Fille d'Amour
父の母
Admirable
1942 黒鹿毛
Nearco Pharos
Nogara
Silvia Craig an Eran
Angela

エベレスト
1945 鹿毛
*セフト
1932 鹿毛
Tetratema The Tetrarch
Scotch Gift
Voleuse Volta
Sun Worship
母の母
フオーラン
1932 鹿毛
*シアンモア Buchan
Orlass
デヤレスト ラシデヤー
第五アストニシメント
母系(F-No.) アストニシメント系(FN:7-c) [§ 2]
5代内の近親交配 Pharos 4×5、Sunstar 5×5 [§ 3]
出典
  1. ^ [2]
  2. ^ [2]
  3. ^ [2]


脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b 『優駿』1998年10月号、日本中央競馬会、140頁
  2. ^ a b c “血統情報:5代血統表|チトセホープ|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2022年7月2日閲覧。

外部リンク

  • 競走馬成績と情報 netkeiba、JBISサーチ
優駿牝馬勝ち馬
1930年代

第1回 アステリモア / 第2回 ホシホマレ

1940年代

第3回 ルーネラ / 第4回 テツバンザイ / 第5回 ロツクステーツ / 第6回 クリフジ / 第7回 ミツマサ / 第8回 トキツカゼ / 第9回 ヤシマヒメ / 第10回 キングナイト

1950年代

第11回 コマミノル / 第12回 キヨフジ / 第13回 スウヰイスー / 第14回 ジツホマレ / 第15回 ヤマイチ / 第16回 ヒロイチ / 第17回 フエアマンナ / 第18回 ミスオンワード / 第19回 ミスマルサ / 第20回 オーカン

1960年代

第21回 スターロツチ / 第22回 チトセホープ / 第23回 オーハヤブサ / 第24回 アイテイオー / 第25回 カネケヤキ / 第26回 ベロナ / 第27回 ヒロヨシ / 第28回 ヤマピット / 第29回 ルピナス / 第30回 シャダイターキン

1970年代

第31回 ジュピック / 第32回 カネヒムロ / 第33回 タケフブキ / 第34回 ナスノチグサ / 第35回 トウコウエルザ / 第36回 テスコガビー / 第37回 テイタニヤ / 第38回 リニアクイン / 第39回 ファイブホープ / 第40回 アグネスレディー

1980年代
1990年代

第51回 エイシンサニー / 第52回 イソノルーブル / 第53回 アドラーブル / 第54回 ベガ / 第55回 チョウカイキャロル / 第56回 ダンスパートナー / 第57回 エアグルーヴ / 第58回 メジロドーベル / 第59回 エリモエクセル / 第60回 ウメノファイバー

2000年代

第61回 シルクプリマドンナ / 第62回 レディパステル / 第63回 スマイルトゥモロー / 第64回 スティルインラブ / 第65回 ダイワエルシエーロ / 第66回 シーザリオ / 第67回 カワカミプリンセス / 第68回 ローブデコルテ / 第69回 トールポピー / 第70回 ブエナビスタ

2010年代

第71回 アパパネ・サンテミリオン(同着) / 第72回 エリンコート / 第73回 ジェンティルドンナ / 第74回 メイショウマンボ / 第75回 ヌーヴォレコルト / 第76回 ミッキークイーン / 第77回 シンハライト / 第78回 ソウルスターリング / 第79回 アーモンドアイ / 第80回 ラヴズオンリーユー

2020年代