3M

曖昧さ回避 この項目では、アメリカ合衆国の企業について説明しています。その他の用法については「3M (曖昧さ回避)」をご覧ください。
スリーエム カンパニー
3M Company
ロゴ
本社
本社
種類 株式会社
市場情報
NYSE MMM
本社所在地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ミネソタ州セントポールメイプルウッド
設立 1902年6月23日 (121年前) (1902-06-23)
業種 コングロマリット(複合企業)
代表者 マイク・ローマン(会長、社長、CEO)
売上高 増加 353.6億ドル(2021年)
営業利益 増加 73億7000万ドル(2021年)
純利益 増加 59億2000万ドル(2021年)
純資産 増加 150億5000万ドル(2021年)
総資産 減少 470.7億ドル(2021年)
従業員数 9万5000人(2021年)
主要子会社 日本の旗 スリーエム ジャパン(100%)
外部リンク www.3m.com(英語)
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3M Company(スリーエム)は、アメリカ合衆国ミネソタ州セントポール郊外のメープルウッドに本拠地を置く、世界的化学電気素材メーカーである。この会社の社名には2002年までMinnesota Mining & Manufacturing Co.(ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチュアリング社)が使用されていたが、のちに略称である3Mを使用した「3M Company」に変更されている。

概要

3Mは、1902年ミネソタ州トゥーハーバーズに設立された。その後、スペリオル湖港湾都市・工業都市として隆盛を迎えていた州北東部の中心都市であるダルースに本社を移した。現在のメープルウッドに本社を移したのは1906年のことであった。

3Mは世界有数の化学企業であり、多くの経営学者が研究対象として同社を取り上げている。同社をその理論の実例としてあげた書物にはジェームズ・C・コリンズとジェリー・I・ポラスによる「ビジョナリー・カンパニー」やトーマス・J・ピーターズロバート・H・ウォーターマンJr.による「エクセレント・カンパニー」がある。また日本の経営学者である野中郁次郎も同社の経営に注目し、著書を執筆している。

同社の経営手法として「15パーセントカルチャー」がある。これは、従業員が勤務時間の15%を日々の仕事にとらわれない活動にあてることを許す不文律である。

日本では、3M社が75%、住友電気工業が25%出資の合弁会社「住友スリーエム」を設立、3Mの中で最大の系列会社となる。2014年9月1日付で、住友電気工業所有の株式を自社買い取りし、3Mの100%子会社「スリーエム ジャパン株式会社」になる[1]

3Mの発明品

日用品として身近に使われるものには3Mが発明した製品が多い。特許期限が切れると多くの企業が製造販売を行った。

  • 耐水ペーパー

ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチュアリング社の祖業は研磨剤となるコランダムの採掘とサンドペーパーの販売だった。1921年に耐水性サンドペーパー(3M™ Wetordry™)の特許を取得し、発売。自動車ボディの塗装仕上げに使われた。濡らして使うことで研磨面の傷が減り、粉塵の飛散が少なくなったため作業者の労働環境も改善された[2]

3Mの研究助手リチャード・ドリュー(英語版)1925年に開発。耐水ペーパーの開発時、研磨サンプルとなる自動車部品のマスキングに苦労する塗装職人を見て考えられた。マスキングテープのヒットによりScotch® ブランドのテープ製品が誕生した[2]

当時包装に使われていたセロファンの透明さを保ったまま留める方法として、1930年にリチャード・ドリューが発明。折しも世界恐慌が到来し、人々は節約のため書類や書物の修理にセロハンテープを使用した[2]

  • 反射テープ

1938年、夜間でも見やすい再起反射シートのスコッチライト(Scotchlite™ )を開発。翌年、この製品を使った道路標識ミネアポリスに設置された[2]

  • テープディスペンサー

3Mが1932年に発売を始めた鋳物製のテープディスペンサーを改良し、1939年「スネイル」と呼ばれるカタツムリ型のセロハンテープホルダーを発売。当初の製品は金属プレス製で、翌年にプラスチック製に変わる[2]

  • ナイロンたわし

1958年、スコッチブライト(Scotch-Brite™)として発売[2]スチールウールの欠点だった錆び問題を克服した。

1960年に低アレルギー性の医療用テープ(Micropore™ Surgical Tape)を発売[2]

  • メンティングテープ

1961年、表面を梨地のマット仕上げとしてペンや鉛筆で書き込むことができるテープを発売[2]。アメリカではマジックテープ(Scotch® Magic™ Tape)、日本ではメンティングテープと呼ばれる。

  • 人工芝

1963年発売。製品名タータンターフ(Tartan™ Turf)[2]

  • N95マスク

1961年ブラジャーのカップをヒントにした不織布製のマスクbubble surgical maskを開発。これを改良して1972年に鉱業用防塵マスク「N95」として承認を得る[3]

  • ポリエステル綿

1979年、衣料用断熱材シンサレート(Thinsulate™)を発売。ポリエステル繊維を羽毛のように細かくしたもので、ダウンジャケットの中綿や吸音材に使われる[2]

  • 糊付き付箋

1980年、ポストイット(Post-it® Notes)を発売。発売当初は黄色のみだったが1985年にラインナップが4色に増え、6年後にネオンカラーが追加された[2]

製品とサービス

その他

過去の製品

過去には複写機の開発・生産を行っていた時期があり、1970年には世界初のカラーコピー機の販売を始めた。当時の価格は日本円で約310万円、用紙は1枚300円であった[7]。また、

の3事業はイメーションImation、現:グラスブリッジ・エンタープライゼスGlassBridge Enterprises〉)として1996年7月スピンオフしたが、下の2事業はイーストマン・コダックグループに譲渡された。

3Mブックシェルフゲームシリーズ(英語版)としてブレイクスルーなどのボードゲームを販売していた。

脚注

[脚注の使い方]

出典

  1. ^ 住友電気工業株式会社から自社の株式を取得、9月1日付で「スリーエム ジャパン株式会社」に社名を変更
  2. ^ a b c d e f g h i j k Timeline of 3M History.
  3. ^ The untold origin story of the N95 mask.
  4. ^ 伊藤忠社員も同じ状況!?外国人が激白「地獄の中国拘束生活」 クーリエジャパン 2019年2月23日
  5. ^ 米3M マスクの生産・輸入増加表明 トランプ氏の批判「正しくない」 ロイター2020年4月6日
  6. ^ ニュースリリース 3Mジャパングループ 2020年4月7日
  7. ^ 「複写機もカラー時代へ 1枚が40円、90秒」『朝日新聞』昭和47年(1972年)5月17日朝刊、13版、8面

参考文献

  • “Timeline of 3M History”. 3M. 2023年6月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月11日閲覧。
  • CO.DESIGN (2024年3月24日). “The untold origin story of the N95 mask”. fastcompany.com. 2024年4月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月11日閲覧。

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、3Mに関連するメディアがあります。
  • 3M Worldwide(英語版)(英語)
  • 3Mのビジネスデータ:
    • Google Finance
    • Yahoo!ファイナンス
    • ブルームバーグ
    • ロイター
    • SEC提出書類
  • スリーエム ジャパン(日本語・英語版)
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