蒲原郡

新潟県蒲原郡の範囲

蒲原郡(かんばらぐん)は、新潟県福島県越後国)にあった

郡域

5分割された蒲原郡の範囲(水色:東蒲原郡、橙:西蒲原郡、緑:南蒲原郡、紺:北蒲原郡、薄緑:中蒲原郡)

現在の下記の区域にあたるが、行政区画として画定されたものではない。

但し、古代は上記のうち新潟市と阿賀町の阿賀野川以北(新潟市東区のうち阿賀野川旧流域である通船川以北地域を含む)および新発田市・胎内市・阿賀野市・聖籠町は沼垂郡であったため属しておらず、西蒲区間瀬は本郡に属していた[3]

越後国および北陸道で最大の面積を持つ郡であった。

古代

古代の文献には「かむはら」の訓もみられ、また中世には「神原」と記載されることもあった。

当初は越中国に属していたが、大宝2年(702年)に頸城郡魚沼郡古志郡とともに越後国に管轄を移された。古代から中世にかけてのある時期に北部の沼垂郡北蒲原郡にほぼ相当する地域)を編入したが、その時期は明らかでない。

式内社

延喜式神名帳に記される郡内の式内社

神名帳 比定社 集成
社名 読み 付記 社名 所在地 備考
蒲原郡 13座(大1座・小12座)
青海神社 二座 アヲミノ 青海神社 新潟県加茂市大字加茂
蒲原神社 新潟県新潟市中央区長嶺町
宇都良波志神社 ウツラハシノ 中山神社 新潟県五泉市橋田
伊久礼神社 イクレノ 伊久礼神社 新潟県三条市井栗
槻田神社 ツキタノ 槻田神社 新潟県三条市月岡
小布勢神社 ヲフセノ 小布勢神社 新潟県三条市上保内丙
伊加良志神社 イカラシノ (論)五十嵐神社 新潟県三条市飯田
(論)八木神社 新潟県三条市北五百川
伊夜比古神社 イヤヒコノ 名神大 弥彦神社 新潟県西蒲原郡弥彦村弥彦 越後国一宮 [1]
長瀬神社 ナカセノ 長瀬神社 新潟県加茂市宮寄上
長瀬神社 新潟県加茂市八幡
中山神社 ナカヤマノ 中山神社 新潟県五泉市橋田字中山戊
中山神社 新潟県三条市大字西大崎
旦飯野神社 -イヒノノ
アシタ-
旦飯野神社 新潟県阿賀野市宮下
船江神社 フナエノ 船江神社 新潟県新潟市中央区古町通
土生田神社 ツチフタノ
ハニフタ
土生田神社 新潟県南蒲原郡田上町羽生田

近代以降の沿革

所属町村の変遷は北蒲原郡#郡発足までの沿革中蒲原郡#郡発足までの沿革西蒲原郡#郡発足までの沿革南蒲原郡#郡発足までの沿革東蒲原郡#郡発足までの沿革をそれぞれ参照
  • 旧高旧領取調帳」に記載されている明治初年時点での支配は以下の通り。下記のほか寺社領、寺社除地[4]が存在。国名のあるものは飛地領。
    • 後の新潟区域(新潟町・寄居白山新田村) - 幕府領新潟奉行所
    • 後の北蒲原郡域(9町624村) - 幕府領(水原代官所・新発田藩預地)、旗本領、新発田藩、三日市藩黒川藩村上藩陸奥会津藩
    • 後の中蒲原郡域(4町364村) - 幕府領(新潟奉行所・水原代官所・桑名藩預地・新発田藩預地)、新発田藩、村松藩、村上藩、駿河沼津藩、陸奥会津藩
    • 後の西蒲原郡域(2町357村) - 幕府領(水原代官所・新発田藩預地)、長岡藩三根山藩与板藩、新発田藩、陸奥会津藩、上野高崎藩伊勢桑名藩
    • 後の南蒲原郡域(3町334村) - 幕府領(水原代官所・新発田藩預地・桑名藩預地・三日市藩預地)、村松藩、新発田藩、村上藩、与板藩、三日市藩、長岡藩、上野高崎藩、陸奥会津藩、伊勢桑名藩
    • 後の東蒲原郡域(1町69村) - 陸奥会津藩
  • 慶応4年
  • 明治元年
    • 9月12日(1868年10月27日) - 沼津藩が転封により上総菊間藩となる。郡内の領地は引き続き管轄。
    • 9月21日(1868年11月5日) - 越後府(第1次)が改称して新潟府となる。
    • 9月22日(1868年11月6日) - 会津戦争で会津藩が新政府軍に降伏して領地を没収され、後の東蒲原郡域を除く領地が新潟府の管轄となる。
    • 10月1日(1868年11月14日) - 後の東蒲原郡域が若松民政局の管轄となる。
    • 12月7日(1869年1月19日) - 後の東蒲原郡域の郷村高帳の引き継ぎ以外の事務が上野館林藩の管轄となる。
    • 12月23日(1869年2月4日) - 後の東蒲原郡域の事務が館林藩と羽前新庄藩の共同管理となる。
  • 明治2年
    • 2月8日(1869年3月20日) - 後の東蒲原郡域と新潟町を除く区域が越後府(第2次)の管轄となる(新潟町は新潟府管轄のまま)。
    • 2月22日(1869年4月3日) - 新潟府が新潟県(第1次)に改称。
    • 5月4日(1869年6月13日) - 後の東蒲原郡域が若松県の管轄となる。館林藩・新庄藩の管轄も終了。
    • 7月27日(1869年9月3日) - 後の東蒲原郡域を除く区域が水原県の管轄となる(新潟町を含む)。
  • 明治3年
    • 3月7日(1870年4月7日) - 後の東蒲原郡域を除く区域が新潟県(第2次)の管轄となる。
    • 7月 - 長岡藩領・三根山藩領・与板藩領・高崎藩領を除く全域で大規模な領地替えが行われ、新潟県・新発田藩領・村上藩領・黒川藩領・三日市藩領が再編。菊間藩領が消滅。
    • 10月22日(1870年11月15日) - 長岡藩が廃藩となり、領地が新潟県の管轄となる。
    • 10月29日(1870年11月22日) - 三根山藩が改称して峰岡藩となる。
  • 明治4年
  • 明治9年(1876年8月21日 - 後の東蒲原郡域が第2次府県統合により福島県の管轄となる。
  • 明治12年(1879年

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 1896年に三島郡から西蒲原郡に編入。
  2. ^ 1957年に三島郡から西蒲原郡に編入。
  3. ^ あゆみ、p.4-5 PDF
  4. ^ 領主から年貢免除の特権を与えられた土地。

参考文献

  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 15 新潟県、角川書店、1989年9月1日。ISBN 4040011503。 
  • 旧高旧領取調帳データベース
  • “新潟市のあゆみ (パンフレット)”. 新潟市 (2007年3月). 2020年9月18日閲覧。2017年12月25日改定

関連項目

先代
蒲原郡・沼垂郡
行政区の変遷
時期不明
次代
蒲原郡
先代
蒲原郡
行政区の変遷
時期不明 - 1879年
次代
新潟県新潟区北蒲原郡
中蒲原郡西蒲原郡南蒲原郡
福島県東蒲原郡

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