和将棋

和将棋(わしょうぎ)は、将棋の一種であり、二人で行うボードゲーム(盤上遊戯)の一種である。大型古将棋の一種であるが、中将棋から泰将棋までと名前で共通する駒は存在せず、異系統のものと考えられる。対称性がほとんどないこと、駒の名前に主に動物が使われていることなどが特徴である。

和将棋の駒のうち、靏玉萑歩以外は大局将棋と名前で共通しているが、一部の駒の動きや成りは和将棋と大局将棋とで異なる。

ルール

基本ルール

  • 縦横11マスずつに区切られた将棋盤の上で行う。
  • 自分から見て手前の三段を自陣、反対に相手から見て三段を敵陣という。
  • 駒は、靏玉風馬登猿鴟行鶏飛猛鹿猛狼鳫飛烏行盲犬・牛車・雲鷲燕羽・飛鷹・走兎隠狐萑歩の17種類あり、それぞれ動きが決まっている。
  • 靏玉・雲鷲・隠狐以外は敵陣に入ると成ることができる。
  • 本将棋とは違い、駒を捕獲し自らの持ち駒にできない。

初期配置図

風馬 登猿 鴟行 鶏飛 猛鹿 靏玉 猛狼 鳫飛 烏行 盲犬 牛車
  雲鷲       燕羽       飛鷹  
萑歩 萑歩 萑歩 走兎 萑歩 萑歩 萑歩 隠狐 萑歩 萑歩 萑歩
      萑歩       萑歩      
                     
                     
                     
      萑歩       萑歩      
萑歩 萑歩 萑歩 隠狐 萑歩 萑歩 萑歩 走兎 萑歩 萑歩 萑歩
  飛鷹       燕羽       雲鷲  
牛車 盲犬 烏行 鳫飛 猛狼 靏玉 猛鹿 鶏飛 鴟行 登猿 風馬

駒の動き

元の駒 動き 成駒 動き
靏玉(かくぎょく)
全方向に1マス動ける。 - - -
風馬(ふうま)
前方にどこまでも動け、後ろに2マスまで行ける。飛び越えては行けない 天馬(てんま)
横に1、前後に2の所まで飛び越えて動ける。
登猿(とうえん)
前、斜め前、後ろに1マスだけ進める。 猛鹿(もうろく)
鹿
前と斜めに1マスだけ進める。
鴟行(しぎょう)
前と斜め後ろに1マス動ける。 雲鷲(うんじゅう)
縦に何マスでも動け、斜め前に3マス、横と斜め後ろに1マスまで動ける。飛び越えては行けない。
鶏飛(けいひ)
斜め前と横に1マス動ける。 延鷹(えんよう)
縦に何マスでも動け、横と斜め前に1マス動ける。飛び越えてはいけない。
猛鹿(もうろく)
鹿
前と斜めに1マス動ける。 行猪(ぎょうちょ)
後ろ以外の方向に1マス動ける。
猛狼(もうろう)
縦横と斜め前に1マス動ける。 熊眼(ゆうがん)
全方向に1マス動ける。
鳫飛(がんひ)
縦と斜め前に1マス動ける。 燕羽(えんう)
横に何マスでも動け、縦に1マス動ける。飛び越えてはいけない。
烏行(うこう)
前と斜め後ろに1マス動ける。 飛鷹(ひよう)
斜め四方に何マスでも動け、前に1マス動ける。飛び越えてはいけない。
盲犬(もうけん)
斜め前、横、後ろに1マスだけ進める 猛狼(もうろう)
前、斜め前、横、後ろに1マスだけ進める
牛車(ぎっしゃ)
前に何マスでも動ける。飛び越えては行けない。 歬牛(せんぎゅう)
全方向に1マス動ける。
雲鷲(うんじゅう)
縦に何マスでも動け、斜め前に3マス、横と斜め後ろに1マスまで進める。飛び越えては行けない。 - - -
燕羽(えんう)
横に何マスでも動け、縦に1マス動ける。飛び越えては行けない。 燕行(えんぎょう)
縦横に何マスでも動ける。飛び越えては行けない。
飛鷹(ひよう)
斜め四方に何マスでも動け、前に1マスだけ動ける。飛び越えては行けない。 鷹(けいよう)
前後と斜め四方に何マスでも動け、横に1マスだけ動ける。飛び越えては行けない。
走兎(そうと)
前に何マスでも動け、斜めと後ろに1マス動ける。飛び越えては行けない。 隠狐(いんこ、おんこう)
縦と斜めに2マス進め、2マス先には飛び越えて行ける。
隠狐(いんこ、おんこう)
縦と斜めに2マス進め、2マス先には飛び越えて行ける。 - - -
萑歩(じゃくふ/すいふ/かんふ)[1]
前に1マス動ける。 金鳥(きんちょう)
縦横と斜め前に1マス動ける。

脚注

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  1. ^ 「じゃくふ」の読みは形の似ている別字で代用した「雀歩」に由来する慣例的なものであり、漢字をそのまま読むと「すいふ」「かんふ」となるが、いずれがより妥当かは不明である。

関連項目

将棋類
古将棋
本将棋亜種
その他将棋類
異種遊戯
遊び方
書籍
関連項目