ヒュンダイ・エアロ

エアロ (Aero)現代自動車1985年から2010年まで製造していた大型バスである。エアロの原型は、日本三菱ふそうトラック・バスエアロシリーズである。

2007年にエアロスペースLSを除くモデルが中止され、その前に後継モデルユニバースが発売されたが、エアロスペースLSは2010年11月まで並行生産された。その後、既存モデルのユニバーススペースエレガンス、コンフォート、クラシックなどがエアロスペースLSの後継モデルとなった。

概要

1985年昭和60年)、三菱自動車(現・三菱ふそうトラック・バス)からライセンスを取得したヒュンダイが、エアロバスMS7系(初代エアロバス)の設計をエンジンも含めてほぼそのまま導入し、生産を開始した。

エアロエクスプレス HSX

1992年(平成4年)、三菱は「2代目エアロバス」にフルモデルチェンジするが、ヒュンダイはその後もしばらく「初代エアロバス」をベースにした生産を続けた。MS8系(2代目エアロバス)に準じたモデルにフルモデルチェンジするのは、日本向けが排ガス規制強化のためのマイナーチェンジを行った1995年(平成7年)であった。

エアロスペースエアロエクスプレスエアロクィーンの3車種が存在。短尺車はエアロスペースのみ選択可能で他は長尺車のみ。エアロスペースはスタンダードデッカー、エアロクィーンはハイデッカーのみの設定だが、エアロエクスプレスはどちらも選択可能。

三菱ふそう製との違いは前面2枚ガラスが標準、車軸懸架式サスペンションが標準仕様(後期形は独立懸架仕様を廃止)、スーパーハイデッカー車の設定が無い(ヒュンダイ製のエアロクィーンはエアロエクスプレスの豪華仕様という位置づけ)、フィンガーシフトの設定が無い、エアバッグの設定が無いことなどである。また短尺車に限りリーフサスペンションも選択が可能であった。

エンジンは三菱ふそう車に準じたV型8気筒8DC9や8DC11を標準とする一方で、本来は路線用のエアロスターやその前のMP系のエンジンだった直列6気筒エンジン6D22も選択することができた。しかし2000年(平成12年)以降は自社開発のPowerTec直列6気筒ターボに全面的に切り替え、現行のユニバースにも引き継がれている。もっとも、三菱ふそうも2005年(平成17年)以降は直列6気筒インタークーラーターボの6M70エンジンに切り替えている。なおエアロスペースにはCNG車も設定されている。

2006年(平成18年)、ヒュンダイは自社開発した大型コーチユニバースを発売、これに伴いハイデッカー仕様の生産が終了。短尺仕様(エアロスペース)は引き続き生産され、翌2007年(平成19年)に三菱ふそうが現行のエアロエースにフルモデルチェンジした後もエアロスペースは生産終了まで「2代目エアロバス」ボディで生産を行った。しかし2010年(平成22年)にエアロスペースもユニバースに統合され、最終的に生産終了となった。これによって1970年代から30年以上続いたヒュンダイにおける日本車のライセンス生産にも終止符が打たれた。

韓国での運行状況

市外バス空港バスで使用する会社

市内バス広域バスで使用する会社

ギャラリー

  • 初代エアロの原型、MS7系三菱ふそうエアロバス・スタンダードデッカー
    初代エアロの原型、MS7系三菱ふそうエアロバス・スタンダードデッカー
  • 初代エアロの原型、MS7系三菱ふそうエアロバス・ハイデッカー
    初代エアロの原型、MS7系三菱ふそうエアロバス・ハイデッカー
  • リーフサスペンションのモダンなエアロ600
    リーフサスペンションのモダンなエアロ600
  • ラオスに中古輸出されたエアロ600
    ラオスに中古輸出されたエアロ600
  • ロシアに中古輸出されたエアロ600[5]
    ロシアに中古輸出されたエアロ600[5]
  • ラオスに中古輸出されたエアロE 折戸仕様
    ラオスに中古輸出されたエアロE 折戸仕様
  • アジア・コスモスの隣に駐車しているエアロE[6]
    アジア・コスモスの隣に駐車しているエアロE[6]
  • 第1世代エアロバスの運転席
    第1世代エアロバスの運転席
  • 2代目エアロの原型・三菱ふそうエアロバス
    2代目エアロの原型・三菱ふそうエアロバス
  • 2代目エアロの原型・三菱ふそうエアロバス
    2代目エアロの原型・三菱ふそうエアロバス
  • 2代目エアロの原型・三菱ふそうエアロバス
    2代目エアロの原型・三菱ふそうエアロバス
  • 現代エアロスペース改造車
    現代エアロスペース改造車
  • エアロエクスプレス輸出型
    エアロエクスプレス輸出型
  • エアロエクスプレス輸出型
    エアロエクスプレス輸出型
  • 国道を走る錦湖高速所属エアロスペースLS
    国道を走る錦湖高速所属エアロスペースLS
  • 漢南旅行所属エアロスペースLS
    漢南旅行所属エアロスペースLS
  • 空港リムジン所属ソウル空港バス6000番エアロスペースLS
    空港リムジン所属ソウル空港バス6000番エアロスペースLS
  • テジン運輸所属ソウル市内バス362番・エアロスペースLS
    テジン運輸所属ソウル市内バス362番・エアロスペースLS
  • ウシンバス所属ソウル市内バス9502番(現502番)エアロスペースLS
    ウシンバス所属ソウル市内バス9502番(現502番)エアロスペースLS
  • 湖南高速エアロエクスプレスハイクラス2002年式(エアロエクスプレスHSX改造車)
    湖南高速エアロエクスプレスハイクラス2002年式(エアロエクスプレスHSX改造車)
  • 錦湖高速エアロクイーンハイクラス2003年式
    錦湖高速エアロクイーンハイクラス2003年式
  • 錦湖高速エアロクイーンハイクラス2003年式
    錦湖高速エアロクイーンハイクラス2003年式
  • 錦湖高速エアロクイーン
    錦湖高速エアロクイーン
  • 東洋高速エアロクイーンハイクラス(旧韓進高速車)
    東洋高速エアロクイーンハイクラス(旧韓進高速車)
  • 東洋高速エアロクイーンハイクラス2004年式
    東洋高速エアロクイーンハイクラス2004年式
  • KALリムジンエアロクイーンハイクラス
    KALリムジンエアロクイーンハイクラス
  • 天一高速エアロクイーンハイクラス運転席
    天一高速エアロクイーンハイクラス運転席
  • 三和高速エアロエクスプレスHSX
    三和高速エアロエクスプレスHSX
  • 漢陽高速エアロエクスプレスLDX
    漢陽高速エアロエクスプレスLDX
  • コリアワイド大成エアロスペースLS2005年式
    コリアワイド大成エアロスペースLS2005年式
  • 金剛高速エアロスペースLS2005年式
    金剛高速エアロスペースLS2005年式
  • ソウル高速エアロハイスペース2005年式
    ソウル高速エアロハイスペース2005年式
  • 湖南高速エアロハイスペース
    湖南高速エアロハイスペース
  • 東洋高速ニューエアロクイーンハイクラス(旧韓進高速車)
    東洋高速ニューエアロクイーンハイクラス(旧韓進高速車)
  • 大元高速ニューエアロエクスプレスハイクラス2006年式
    大元高速ニューエアロエクスプレスハイクラス2006年式
  • 錦南高速エアロスペースLS2007年式
    錦南高速エアロスペースLS2007年式
  • 京畿高速3005番エアロスペースLS天然ガスのバス
    京畿高速3005番エアロスペースLS天然ガスのバス
  • 新盛交通R3700番エアロスペースLS2007年式
    新盛交通R3700番エアロスペースLS2007年式
  • 南城交通ソウル市内バス9409番(現ソウル市バス9401B番)エアロスペースLS
    南城交通ソウル市内バス9409番(現ソウル市バス9401B番)エアロスペースLS
  • 仁江旅客所属首都圏広域急行バスM6405番エアロスペースLS
    仁江旅客所属首都圏広域急行バスM6405番エアロスペースLS

脚注

  1. ^ 現在支線バス6712番で運行されており、ソウル特別市支線バス塗装である。
  2. ^ 広域バス9401番、9404番、9408番用に塗装がソウル市内バス・広域バス塗装である。このうち一部の車両は、耐久年限が満了するに従いヒュンダイユニバース・スペースエレガンスの天然ガス車で段階的に置き換えをしている。
  3. ^ 直行座席バス9407番用に塗装が京畿道直行座席バス塗装である。
  4. ^ 直行座席バス3000番、3002番、3003番、3007番、5100番、5300番用に塗装が京畿道直行座席バス塗装である。
  5. ^ ヘッドランプとバンパーがエアロEのものに交換されている。
  6. ^ 2台の前に駐車しているのはキア・タウナー。

関連項目

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