ディック・マグワイア

ディック・マグワイア
Dick McGuire
故人
ポジション PG
基本情報
愛称 Tricky Dick
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
生年月日 1926年1月25日
没年月日 (2010-02-03) 2010年2月3日(84歳没)
出身地 ニューヨーク州ハンティントン
身長(現役時) 183cm (6 ft 0 in)
体重(現役時) 81kg (179 lb)
キャリア情報
出身 セント・ジョーンズ大学
ドラフト 1949年 8位
永久欠番 ニックス  15 
選手経歴
1949-1957
1957-1960
ニューヨーク・ニックス
デトロイト・ピストンズ
指導者経歴
1959-1963
1965-1968
デトロイト・ピストンズ
ニューヨーク・ニックス
受賞歴
Stats ウィキデータを編集 Basketball-Reference.com
Stats ウィキデータを編集 NBA.com 選手情報 NBA.Rakuten

リチャード・ジョセフ・"ディック"・マグワイア (Richard Joseph "Dick" McGuire, 1926年1月25日 - 2010年2月3日) は、アメリカ合衆国ニューヨーク州ハンティントン出身の元プロバスケットボール選手、指導者。1950年代NBAで活躍した。出身大学はセント・ジョーンズ大学ニューヨーク・ニックスにおいて選手、コーチ、スカウトマン、スタッフなど多岐に渡って貢献し、"Dick the Knick"の称号を与えられた。背番号『15』はニックスの永久欠番となっており、1993年には殿堂入りを果たしている。弟はカレッジ・バスケの名コーチとして知られるアル・マグワイア。

選手キャリア

ディック・マグワイアことリチャード・ジョセフ・マグワイアは、第二次世界大戦を前後して、ニューヨークのセント・ジョーンズ大学でプレイした後、1949年のBAAドラフトでニューヨーク・ニックスから指名を受けてNBA入りを果たす。

1年目の1949-50シーズンからチームの司令塔として活躍し、8.6得点5.7アシストの成績でアシスト王に輝いた。通算386アシストは、1987-88シーズンマーク・ジャクソンに破られるまで、ニックスのルーキー記録だった。当時のニックスにはマグワイアにマックス・ザスロフスキーハリー・ギャラティンら豊富なタレント陣を擁し、ニックスは1950-51シーズンから3シーズン連続でファイナルに進出するが、いずれも敗退し、あと一歩のところで優勝には届かなかった。マグワイアはリーグ屈指の司令塔となり、1950-51シーズンにはオールNBA2ndチームに選ばれ、またこのシーズンから毎年のようにオールスターに出場したが、チームは3度目のファイナル出場を頂点に停滞期に入った。マグワイア個人も31歳を迎えた1956-57シーズンは不振に陥り、このシーズンを最後に8シーズン過ごしたニックスを去ることになった。

デトロイト・ピストンズに移籍し、心機一転したマグワイアは成績も以前の水準に戻った。ピストンズでは3シーズンだけプレイし、3年目のシーズンにはコーチ兼任としてプレイした。以後、コーチ職に専念するため、1959-60シーズンを最後に現役から引退した。

NBA通算成績は11シーズンのプレイで、5,921得点(8.0得点)4,205アシスト(5.7アシスト)だった。

プレースタイルと業績

NBA黎明期における最も優秀なポイントガードの一人と目されている。クレバーさと派手さを兼ね備えたスター選手として大学時代から人気を集め、「背中にも目がある」と思わせるほどの意表を突いたパスを出すことも珍しくなかった。その優れたボールハンドリング技術から"Tricky Dick"の異名を持つ。

引退後

コーチキャリア

マグワイアは現役時代の1959-60シーズン途中からレッド・ロシャの後任としてデトロイト・ピストンズのヘッドコーチを務め、このシーズンを最後に現役から引退し、以後コーチに専念することになった。勝率4割台を推移するピストンズはマグワイアのコーチ就任後僅かに上昇の気配を見せたが、結局勝率5割を上回ることはなく、マグワイアは1962-63シーズンを最後に退任した。

その後マグワイアは1シーズンを挟んで1965-66シーズン途中からハリー・ギャラティンの後任として古巣のニューヨーク・ニックスのヘッドコーチに就任した。選手時代のマグワイアがニックスを去って以降長い低迷期に入っていたニックスは、このシーズンも開幕から大きく負け越していた。しかしマグワイアのヘッドコーチ就任後は少しずつ勝率を上げていき、翌1966-67シーズンには8シーズンぶりのプレーオフに導いた。しかしチームは負け越した状況が続いていたため、マグワイアは翌1967-68シーズンに当時ニックスのスカウト兼球団副社長だったレッド・ホルツマンと役職を入れ替える形で、コーチ職から退いた。

マグワイアのコーチ通算成績は457試合197勝260敗、勝率.431だった。

スカウティング・その他

  • マグワイアはニックスでの17年に渡るスカウティング・ディレクター、20年に渡るチーフスカウトと、長期に渡ってニックスのスカウト職を務めた。彼に見出された選手には古くはマーク・ジャクソンロッド・ストリックランド、近年ではデビッド・リー、ネイト・ロビンソンらが居る。
  • マグワイアは選手時代、コーチ時代、スカウト時代、その他を合計すると、ニックスの約60年の歴史のうち、49年間ニックスに関わったことになる。
  • NBAコーチ協会が長年NBAに貢献した人物に送られる、マグワイアの名前を冠した「ディック・マグワイア賞」がある。
  • 受賞歴

個人成績

* リーグ1位
太字 キャリアハイ

レギュラーシーズン

Season Team GP MPG FG% FT% RPG APG PPG
1949–50 NYK 68 .337 .652 5.7 8.6
1950–51 64 .371 .649 5.2 6.3 8.4
1951–52 64 31.5 .430 .631 5.2 6.1 9.2
1952–53 61 29.2 .381 .569 4.6 4.9 7.2
1953–54 68 34.5 .408 .638 4.6 5.2 9.1
1954–55 71 32.5 .389 .644 4.5 7.6 9.1
1955–56 62 27.2 .347 .637 3.5 5.8 6.9
1956–57 72 16.5 .383 .644 2.0 3.1 5.3
1957–58 DET 69 33.5 .373 .667 4.2 6.6 8.1
1958–59 71 29.1 .427 .740 4.0 6.2 9.2
1959–60 68 21.6 .445 .617 3.9 5.3 7.1
Career 738 28.3 .389 .644 4.2 5.7 8.0
All-Star 7 21.6 .387 .417 3.3 5.4 4.1

プレーオフ

Year Team GP MPG FG% FT% RPG APG PPG
1950 NYK 5 .423 .731 5.4* 12.6
1951 14 .313 .453 5.9 5.6* 5.3
1952 14 39.0 .449 .570 5.1 6.4* 10.4
1953 11 32.7 .407 .636 5.7 6.4* 7.5
1954 4 17.0 .250 .600 1.0 1.3 2.8
1955 3 25.0 .316 .667 3.0 4.0 6.7
1958 DET 7 33.7 .417 .708 4.7 5.7 9.6
1959 3 36.3 .625* .636 5.7 6.3 15.7
1960 2 21.0 .417 .333 2.0 4.5 5.5
Career 63 32.6 .410 .593 4.9 5.6 8.3

コーチ戦績

NBA

Team Season Regular season Playoffs
G W L W-L% G W L W-L% Results
DET 1959–60 41 17 24 .415 2 0 2 .000 ディビジョン準決勝敗退
1960–61 79 34 45 .430 5 2 3 .400 ディビジョン準決勝敗退
1961–62 80 37 43 .463 10 5 5 .500 ディビジョン決勝敗退
1962–63 80 34 46 .425 4 1 3 .250 ディビジョン準決勝敗退
NYK 1965–66 59 24 35 .407
1966–67 81 36 45 .444 4 1 3 .250 ディビジョン準決勝敗退
1967–68 38 15 23 .395
Career 458 197 261 .430 25 9 16 .360

外部リンク

  • BasketballReference.com 選手成績
  • BasketballReference.com コーチ成績
  • ニックス公式HP
  • バスケットボール殿堂
  • Hoopedia
NBAアシスト王/通算アシスト数
1940年代
1950年代
1960年代
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代
歴代ベスト10
プレーオフ
歴代ベスト10
デトロイト・ピストンズ 歴代ヘッドコーチ

カール・ベネット (Carl Bennett)1941-43 -- ボビー・マクダーモット (Bobby McDermott)1943-45 -- カール・ベネット (Carl Bennett)1945-46 -- ボビー・マクダーモット (Bobby McDermott)1946-47 -- カール・ベネット (Carl Bennett)(1946-47/1948-49 -- カーリー・アームストロング (Curly Armstrong)1948-49 -- マレー・メンデンホール (Murray Mendenhall)1949-51 -- ポール・バーチ (Paul Birch)1951-54 -- チャールズ・エックマン (Charles Eckman)1957-58 -- レッド・ロシャ (Red Rocha)1957-60 -- ディック・マグワイア (Dick McGuire)1959-63 -- チャールズ・ウルフ (Charles Wolf)1963--65 -- デイブ・ディバッシャー (Dave DeBusschere)1964-67 -- ドニー・ブッチャー (Donnie Butcher)1966-67/1968-69 -- ポール・シーモア (Paul Seymour)1968-69 -- ビル・ヴァン・ブレダ・コルフ (Bill Van Breda Kolff)1969-71 -- テリー・ディッシンガー(Terry Dischinger)1971暫定 -- アール・ロイド (Earl Lloyd)1971-1972 -- レイ・スコット (Ray Scott)1972-76 -- ハーブ・ブラウン (Herb Brown)1975-78 -- ボブ・カウフマン (Bob Kauffman)1977-78 -- ディック・ヴァイタール (Dick Vitale)1978-80 -- リッチー・アデュベイト (Richie Adubato)1979-80 -- スコッティ・ロバートソン (Scotty Robertson)1980-83 -- チャック・デイリー (Chuck Daly)1983-92 -- ロン・ロススタイン (Ron Rothstein)1992-94 -- ドン・チェイニー (Don Chaney)1994-95 -- ダグ・コリンズ (Doug Collins)1995-98 -- アルヴィン・ジェントリー (Alvin Gentry)1997-00 -- ジョージ・アーヴァイン (George Irvine)1999-02 -- リック・カーライル (Rick Carlisle)2001-03 -- ラリー・ブラウン (Larry Brown)2003-05 -- フリップ・ソーンダーズ ( Flip Saunders)2005-08 -- マイケル・カリー ( Michael Curry)2008-09 -- ジョン・キュースター ( John Kuester)2009-11 -- ローレンス・フランク (Lawrence Frank)2011-13 -- モーリス・チークス (Maurice Cheeks)2013-2014 -- スタン・ヴァン・ガンディ (Stan Van Gundy)2014-2018 -- ドウェイン・ケイシー(Dwane Casey)2018-2023 -- モンティ・ウィリアムズ(Monty Williams)2023-

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