タリン・トロリーバス

タリン・トロリーバス
ソラリス・トロリーノ18(2016年撮影)
ソラリス・トロリーノ18(2016年撮影)
基本情報
エストニアの旗エストニア
ハリュ県
所在地 タリン
種類 トロリーバス
路線網 4系統[1][2]
開業 1965年[1]
運営者 タリン市交通会社(エストニア語版)[1]
使用車両 ソラリス・トロリーノ12(エストニア語版)
ソラリス・トロリーノ18(エストニア語版)[3]
路線諸元
電化区間 全区間
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タリン・トロリーバスエストニア語: Tallinna trollibussiliiklus)は、エストニア首都であるタリン市内に路線網を有するトロリーバスソビエト連邦ソ連)時代の1965年に開通し、2022年現在は路面電車タリン市電)や路線バスと共にタリン市交通会社(エストニア語版)(Tallinna Linnatranspordi AS、TLT)によって運営されている[1]

歴史

タリン市内にトロリーバスを建設する計画は1946年には存在しており、何度か路線網の計画が立てられたものの、最終的に具体的な計画が定められたのは1962年であり、同年から建設が開始された後1965年7月6日から最初の路線の営業運転が開始された。また、当初は車庫が存在せず、終端に配置されたトレーラーハウスなどを用いた仮の区域が車両の留置場や事務所として使われていたが、翌1966年に最初の車庫が、1967年に事務所が完成している[1]

路線網はソ連時代を通して拡張され、1992年時点で9系統の路線網が存在した。一方で車両については開通当初を除きチェコスロバキア(現:チェコ)のシュコダ製の車両が継続的に導入されたが、エストニア独立後は部品の調達に支障をきたし、営業用車両を減らす事態に陥った。それを受け、1990年代以降はウクライナハンガリー製の車両が導入された他、2000年代からはポーランドのソラリス製のノンステップバスが使用されている[1][3][4]

系統

2022年現在、タリン西部に以下のトロリーバスの路線が存在する。後述のように、全盛期には9系統存在した路線網は2000年以降廃止が進められている[1][2]

系統番号 起点 終点 備考
1 Mustamäe Kaubamaja 3号線とは経由区間が異なる
3 Mustamäe Kaubamaja 1号線とは経由区間が異なる
4 Keskuse Balti jaam
5 Mustamäe Balti jaam

車両

前述の通り、2022年現在タリン市内のトロリーバスで使用されているのはポーランドのソラリスが開発したトロリーノ(ポーランド語版)である。そのうちタリン市内のトロリーバスに導入されたのは全長12 mの2軸バスであるトロリーノ12(エストニア語版)と全長18 mの連節バスであるトロリーノ18(エストニア語版)で、前者は28両、後者は18両が営業運転に使用されている[3][5]

  • 現有車両
  • ソラリス・トロリーノ12 (トロリーノII)(2013年撮影)
    ソラリス・トロリーノ12
    (トロリーノII)(2013年撮影)
  • ソラリス・トロリーノ12 (トロリーノIII)(2014年撮影)
    ソラリス・トロリーノ12
    (トロリーノIII)(2014年撮影)
  • ソラリス・トロリーノ18 (トロリーノII)(2009年撮影)
    ソラリス・トロリーノ18
    (トロリーノII)(2009年撮影)
  • ソラリス・トロリーノ18 (トロリーノIII)(2019年撮影)
    ソラリス・トロリーノ18
    (トロリーノIII)(2019年撮影)

今後の予定

タリン市交通会社では将来的に全ての公共交通機関を電気を動力としたものに統一する計画を立てているが、その中でトロリーバスについては施設の老朽化を始めとした要因からハイブリッドバス電気バスへの置き換えが進められていた。その結果、全盛期に9系統が存在したトロリーバス路線のうち半数以上が2010年代までにバスに変更される形で廃止されており、残された4系統についても2035年までの全廃が検討されていた。しかし、充電池を備えた新型車両の試運転や幾多もの議論を経て、2024年にタリン市議会は市内の基幹路線としてトロリーバスの存続を決定し、新型車両の導入や施設の更新などの近代化事業を2030年代までに実施する事になっている[6][7][8]

脚注

[脚注の使い方]

注釈

出典

  1. ^ a b c d e f g “History of trolleybus transport in Tallinn”. Aktsiaselts Tallinna Linnatransport. 2022年1月10日閲覧。
  2. ^ a b “Timetables”. Tallinn Transport Department. 2022年1月10日閲覧。
  3. ^ a b c “Trolleybus fleet”. Aktsiaselts Tallinna Linnatransport. 2022年1月10日閲覧。
  4. ^ Aare Olander (2008). Tramm, buss ja troll Tallinnas. Tänapäev 
  5. ^ “Vehicle Statistics Tallinn, TLT Trollipark”. Urban Electric Transit. 2022年1月10日閲覧。
  6. ^ Marko Tooming (2020年2月13日). “Trollid kaovad: aastaks 2035 jäävad Tallinna vaid trammid ja elektribussid”. ERR.ee. 2022年1月10日閲覧。
  7. ^ “Trolliliin number 9 suletakse alates maist”. Pealinn (2017年3月30日). 2022年1月10日閲覧。
  8. ^ Jens Bernhardt (2024年2月9日). “New investments – no closure: Tallinn opts for battery trolleybuses”. Urban Transport Magazine. 2024年2月10日閲覧。

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、タリン・トロリーバスに関連するカテゴリがあります。
  • (エストニア語)“タリン市交通会社の公式ページ”. 2022年1月10日閲覧。