ジャスミンラクトン

ジャスミンラクトン
Jasmine lactone

6-[(Z)-Pent-2-enyl]oxan-2-one

別称
δ-ジャスモラクトン
(Z)-7-Decen-5-olide
識別情報
PubChem 5352626
  • CC/C=C\CC1CCCC(=O)O1
  • InChI=1S/C10H16O2/c1-2-3-4-6-9-7-5-8-10(11)12-9/h3-4,9H,2,5-8H2,1H3/b4-3-
    Key: XPPALVZZCMPTIV-ARJAWSKDSA-N
  • InChI=1S/C10H16O2/c1-2-3-4-6-9-7-5-8-10(11)12-9/h3-4,9H,2,5-8H2,1H3/b4-3-
    Key: XPPALVZZCMPTIV-ARJAWSKDSA-N
特性
化学式 C10H16O2
モル質量 168.23 g mol−1
外観 無色ないし淡黄色の液体
沸点

248 °C, 521 K, 478 °F

危険性
引火点 155℃[1]
関連する物質
関連する異性体 C10H16O2を参照
関連物質 γ-ジャスモラクトン
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ジャスミンラクトンは、化学式C10H16O2で表されるラクトンの一種である。

香料

天然にはジャスミン精油の主成分として0.5~1.5%ほど含まれるほか、ガーデニアハニーサックルチューベローズの精油からも見出されている。ジャスミンやスズランなどフローラル調調合香料に使われるほか、モモ、アプリコットココナッツなどのフレーバーにも使用される。1990年代前半から、日本ゼオンにより工業生産が行われている[1]

構造

側鎖二重結合の形状による幾何異性体と、環内の不斉炭素原子による光学異性体が存在する。幾何異性体は天然、合成ともcis体となる。光学異性体では、ジャスミン油では(-)(R)体、チューベローズ油では(+)(S)体を採るが、(-)(R)体の方が香りが強い[1]

脚注

  1. ^ a b c (印藤 2005, p. 463)

参考文献

  • 印藤元一『合成香料 化学と商品知識』化学工業日報社、2005年。ISBN 4-87326-460-X。 

関連項目

  • γ-ジャスモラクトン - 本物質に次いで、ジャスミン油の主香成分として1978年に発見された。ジャスミンラクトンがδ-ジャスモラクトンとも呼ばれることから、頭にγを付けることが慣例となっている。