また語りあうために

また語りあうために』(またかたりあうために、I've Come to Talk with You Again)は、アメリカの作家カール・エドワード・ワグナーによる短編ホラー小説。

アンソロジー『Dark Terrors:The Gollancz Book of Horror』に収録された。作者は1994年に死去し、本作は1996年に英国幻想文学大賞短篇部門の候補に挙げられた[注 1]。その後、2014年にアンソロジー『ラヴクラフトの怪物たち』に収録され、2019年に単行本が邦訳された。[1]

収録単行本『ラヴクラフトの怪物たち』にて、怪物「黄衣の王」を担う[2]

作品内容

主な登場人物

  • ジョン・ホルステン - アメリカでホラー作家として大成した。地元のファン達と長年交流を続けている。63歳。
  • テッド・クロスリー - 売れないホラー作家。喘息を患う。
  • デイヴ・マナリング - 書店経営者。
  • スティーヴ・カーター - 同上。マナリングと同居している。
  • チャールズ・スタイン - クラウチ・エンド在住の愛書家。糖尿病を患う。
  • マイク・フォスター - リバプール在住の愛書家。心疾患がある。
  • デイヴ・ハーヴィス - 21歳の若者。今夜初めてホルステンと会う。
  • ???? - 黄色いローブと青白い仮面の人物。ホルステンにしか見えていない。選んだ獲物と契約をする。

あらすじ

イギリス生まれのジョン・ホルステンは、ニューヨークの地下古書店で「黄衣の王」を見つけ、実在したことに驚く。やがてホルステンはホラー作家として大成する。ホルステンは時おり地元に帰省し、年少のファンを集めて交流を行うようになる。

その夜の集会は酒場で行われた。全員20年来の付き合いで、ホルステン以外の5人は40歳ほどである。かつては20人ほど集まったものだが、今や6人に減っていた。マクフェランは去年腎臓癌で病死し、ハイルズは肺を患って療養のために引っ越し、マーリンは麻薬中毒に陥り海外に行ったという。人生につまずいたファン達は、ホルステンの成功と健康体を羨ましがる。新たに黄色いローブをまとった人影が入ってくるも、ホルステン以外の誰も彼の存在に気づかない。黄衣の人物は、獲物を選び、目を付ける。ファンに健康の秘訣を問われたホルステンはでまかせを説明し、黄衣の人物を見ぬふりする。

別の約束があったホルステンは、店を出てホテルに向かい、ファンの若者ハーヴィスと会う。ハーヴィスは、ホルステンがファン達と会合していることを知っており、詳しく質問してくる。黄衣の人物は、新たにハーヴィスを獲物視する。ホルステンは彼を会合へと招待する。

収録

  • 新紀元社『ラヴクラフトの怪物たち 下』植草昌実訳

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 作者は当賞を3度受賞している。

出典

  1. ^ 新紀元社『ラヴクラフトの怪物たち 下』寄稿者紹介 289-290ページ。
  2. ^ 新紀元社『ラヴクラフトの怪物たち 下』怪物便覧 278-279ページ。
クトゥルフ神話
H.P.ラヴクラフト
概要・経歴
作品
姉妹プロジェクト
  • コモンズ
  • ウィキクォート
  • ウィキソース
作中事項
クトゥルフ神話の作中事項
舞台 (カテゴリ)
人物 (カテゴリ)
神格 (カテゴリ)
旧支配者
外なる神
旧神
その他
種族 (カテゴリ)
文献 (カテゴリ)
道具等
映画化・ゲーム化
(一覧)
映画
  • 怪談呪いの霊魂(英語版)(1963年)
  • 襲い狂う呪い(英語版)(1965年)
  • 太陽の爪あと(英語版)(1967年)
    • ダンウィッチの怪(英語版)(1970年)
  • 死霊のしたたり(1985年)
  • フロム・ビヨンド(1986年)
  • デッドウォーター(英語版)(1987年)
  • ヘルダミアン 悪霊少女の棲む館(英語版)(1988年)
  • Pulse Pounders(segment: "The Evil Clergyman")(1988年)
  • 死霊のしたたり2(英語版)(1990年)
  • ラブクラフト(英語版)(1991年)
  • ヘルハザード 禁断の黙示録(英語版)(1992年)
  • ダークビヨンド 死霊大戦(英語版)(1993年)
  • ネクロノミカン(1993年)
  • 地底人アンダーテイカー(英語版)(1994年)
  • マウス・オブ・マッドネス(1994年)
  • 魔界世紀ハリウッド(1994年)
  • キャッスル・フリーク(英語版)(1995年)
  • ヘモグロビン(1997年)
  • Out of Mind: The Stories of H. P. Lovecraft(1998年)
  • 冷気(英語版)(1999年)
  • Cthulhu(2000年)
  • DAGON(2001年)
  • RE-ANIMATOR 死霊のしたたり3(英語版)(2003年)
  • The Call of Cthulhu(2005年)
  • H. P. Lovecraft's Dreams in the Witch-House(2005年)
  • チルド(英語版)(2007年)
  • Cthulhu(2007年)
  • The Tomb(2007年)
  • In Search of Lovecraft(2008年)
  • The Last Lovecraft: Relic of Cthulhu(2009年)
  • The Whisperer in Darkness(2011年)
  • キャビン(2012年)
  • Call Girl of Cthulhu(2014年)
  • Innsmouth(2015年)
  • カラー・アウト・オブ・スペース -遭遇-(2019年)
  • アンダーウォーター(2020年)
  • Castle Freak(2020年)
ゲーム
関連作家
(日本以外)
ラヴクラフト以前
ラヴクラフト同世代
ダーレス同世代
ダーレス以降
日本関連作品
(カテゴリ/一覧)
1970年代以前
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代
関連人物 (日本)
翻訳
評論など
関連項目
  • カテゴリカテゴリ
  • コモンズコモンズ